遺言開示の日
相続人全員が集められ
遺言書を預けている銀行から
3人の行員がやってきた。
遺言書に書かれていたものは?
みんなドキドキしていた。
特に長女と次女は期待に胸を膨らませていた。
○○(妻の名前)
今までありがとう。
おまえのおかげで楽しい人生だった。
○○(長女の名前)
○○(次女の名前)
○○(三女の名前)
おまえたちにはもう十分尽くした。
よって、全財産は長男○○に遺すこととする。
尚、遺留分を請求するなどして○○(長男)を困らせることのないよう切に希望します。
以上。
だいたい要約すると以上のような内容でした。
でもさあ、考えてみたら
母は弟一家と同居していて自分名義の預金も十分ある。
私たち姉妹は、父が生存中それはそれは良くしてもらった。
家も建ててもらったし、孫たちの学費はみんな出してくれたし、
毎年110万円ずつ孫全員にやってくれたのよ。
って言いだしたのよ。
遺留分
このケースの場合は、たとえ遺言書になんと書いてあろうと本来受け取ることができる分の半分、妻には4分の1、長女・次女・三女にはそれぞれ16分の1の受け取る権利があるのです。
なので、遺言書を書く場合、たいていはそのことを考慮して作ります。
しかし、遺留分を侵害するような遺言書であっても法律上は有効です。
あとは、遺留分を侵害された相続人が遺留分侵害請求を行うかどうかなんですね。
気持ち次第ということです。
相続が争族にならなくて本当に良かったですね。
相続を甘くみると、一家断絶のような事態にもなりかねません。
そんなケースを私は嫌というほど見てきました。
遺産分割の話し合いの場で突然灯油をかぶって焼身自殺を図ったという話も聞きました。
憎しみあう家族…悲しい限りです。
ちゃんと対策しておけば避けられることも多いはず。
でも、今回のご家族は笑い話に変えることができて本当に良かったですね。
姉弟4人の沖縄旅行
後日、
60代の姉3人と50代の弟の姉弟4人で沖縄でシュノーケリングを楽しんだとのこと。
「私はさあ、朝はホテルでゆっくりしたかったのに、
姉たちが早くから起きてもう大変。年寄りが一番元気なのよ。
なんだかんだ言いながら
姉弟4人だけの旅行なんて
それが毎年続くなんて
素敵です!
これもお父様のおかげ
天国で喜んでるでしょうね。
でも、3人は口を揃えて
「母のときは、しっかりもらうからね!」
とニッコリ(*≧∀≦*)