西田さん(仮名:65歳)には妹と弟がいます。
父親はずいぶん昔に亡くなり、
母親は田舎で一人暮らしをしていました。
高齢の母親のお金の管理
弟が母親の近くに住んでいるが
弟ばかりに負担を掛けるわけにもいかず、
ここ数年は、西田さんが毎月
電車で約3時間かけて母の世話をしに通っていました。
そして、2年ほど前、
母親の物忘れが激しくなり
通帳や印鑑を自分で管理することが難しくなってきたので、
姉弟は相談のうえ、母親が自分で手続きができるうちに
西田さんが取引をしている銀行に母親の口座を開設してお金を全部預け替え、
通帳と印鑑は西田さんが管理することにしたのです。
母がいなくなった
西田さんの妹は、西田さんの家から車で30分ほどの所に住んでいました。
半年ほど前、その妹から突如、
という申し出があり、
と、何の疑いも持たず、妹に印鑑を渡しました。
それから信じられないような事が次から次に起こったのです。
弟から連絡が有り、妹夫婦が母を連れて行ったというのです。
母は東京の老人ホームにいた
それがどういうことなのか西田さんには理解できませんでした。
妹に連絡すると
妹夫婦は姉弟には何の相談もなく、勝手に母親を田舎から連れ出し
東京の有料老人ホームに入れてしまったのです。
その後、西田さんは何度も妹に電話をしました。
弟にも電話をさせましたが、
妹が電話に出ることはありませんでした。
妹夫婦の大胆な行動
仕方がないので、翌週妹の家に行ってみると
またまたビックリ・・・
ひときわ目立つ白い大きな妹の家は
すでに知らない人の家になっていました。
妹夫婦は知らない間に転居していたのです。
西田さんは嫌な予感がして
母のお金を預けている銀行に向かった。
案の定、
西田さんが大事に保管していた母の通帳はもう使えなくなっていました。
西田さんが持っていたその通帳は数ヶ月前に紛失届が出され、
再発行されていたのです。
西田さんは自分の担当者に
どうしてこんなになったのか調べてもらいました。
わかったことは、
母親本人から『通帳紛失届』があり、
郵送で再発行の手続きがされたこと。
その後、妹から母親の定期預金を全部解約して引き出したい
という相談があったとのことだった。
ご本人様のご来店は無理。委任状も書けない…
では、娘さんが窓口で手続きをされている最中に
こちらからお母様に直接電話をして
定期預金を解約して払い出すことが
お母様の意思であることを確認することは可能ですか?
そんなやり取りの途中、
不動産会社で役員をしている妹の夫が出てきて
粘り強い交渉があったとのこと。
結局、行員と役職者が二人で
母親の入居している施設に訪問し、
直接本人の意思確認をすることになり、
後日、施設において
本人の意思を確認のうえ手続きを済ませたとのこと。
(※各銀行によって対応や手続き方法は大きく違います)
定期預金を解約してそこの普通預金に入金すれば
母親のキャッシュカードを使って
ATMでいつでも自由に下ろすことが可能ですね。
そんなふうに母親のお金は一つの口座に集められていった。
西田さんは母親がどこの施設に入居しているかも知らず、
いまだに母親と連絡が取れない状態が続いている。
妹は世間知らずで大胆なことができる性格ではないわ。
妹の旦那は不動産会社の役員をやっていて
身に付けるものは全て一流ブランド、派手好きなのよね。
今回のことも用意周到に計画された感があり、
母親にもうまく取り入って丸め込んだか…
なにか私のことを悪く言って、誤解を招くようなことを母親に吹き込んだのか…
不可解な妹夫婦の行動で
家族はバラバラになってしまいました。
身内で裁判なんて考えられない
今後母親が亡くなった場合、
法定相続人である西田さんは、母親が取引をしていた銀行に申し出て
取引履歴を確認することができます。
しかし、もし妹が母親のお金を使い込んでいたとしても
『母親自身のために使ったお金だ』とか…
いろいろな弁解をするでしょう。
また、『妹に全部相続させる』という遺言を母に書かせているかもしれません。
母親は自分で書くことはできないかもしれませんが、
意思確認ができれば公正証書遺言を作成することができるのです。
手が不自由な場合も意思の疎通ができれば公証人が遺言者に代わって署名を代署することができます。
身内で裁判なんて…考えられないわ。
義弟は味方でいるときはとても頼りになる存在だったの。
でも今回のようなことになると、とても太刀打ちできないと思ってしまうのよ。
家族だと思っていたから警戒なんてしたこともなかった…
西田さんと弟は、今後どう対応するか決めることができません。