争族

母の葬儀の翌週、兄の弁護士から届いた通知書。仲の良い家族だったはず。うちに限って相続の心配なんて無用と思っていた。『今後長男に連絡する場合は弁護士を通すように』。兄の行動が理解できず「お兄さんどうしちゃったの？」と弟妹たちは頭を抱えていた。

遺言開示の日,相続人全員が集められ遺言書を預けている銀行から3人の行員がやってきた。なんて書いてあるんだろう。みんなドキドキしていた。特に長女と次女は期待に胸を膨らませていた。娘たちには十分尽くしてきた。よって全財産は長男に遺すことにする。