娘に罵倒された夜
耐えられなくなった安川さんは娘のマンションを飛び出し駅に向かいました。
混みあう電車の入口付近に立って窓に映る自分を見ながら自問自答を繰り返していました。
マナーモードにしている携帯がずっとブルブル震えています。
娘からです。
ひとり自宅に戻ったとき、
彼からいつもの『お休みメール』が届きました。
と書いてありました。
彼には娘が反対しているとは言い出せませんでした。
母娘のもめごとに彼を巻き込みたくなかったから。
なんとか娘とうまく折り合いたい…
翌日は娘から連絡はありませんでしたが、
自宅に戻って4日目、
ややトーンダウンした娘から長い長いメールが届きました。
切々と娘にとって今がとても重要で、とても大変な時期であること。
安川さんの援助が必要であることを訴えていました。
娘と孫は大切な存在。
だけど、私の気持も理解してほしい。
同居をせずに援助できる方法などを話し合えないかな。
話し合いのために娘の家に行くと、
部屋は散らかっており、洗っていない洗濯物が洗濯機から溢れていました。
ゴミ袋の中はお弁当の空き容器がいっぱい。
そんなことを考えていると、
業を煮やした娘が
と言い出したのです。
これには安川さんもビックリ!
安川さんの中でプチンと糸が切れる音がしました。
安川さんが立ち上がって部屋を出ようとすると
という娘の声が後ろから飛んできました。
歩きながら涙が出ました。
親子ってなんだろう…
安川さんは彼に電話をしました。
壮絶な親子喧嘩の末
彼との結婚を選んだ安川さんですが、
それから2年経った今
娘は土曜日などは孫を預けにやってきます。
土曜日は夜中まで思いっきり羽を伸ばして
日曜日の午後に迎えにきます。
小学生になった孫も
夏休みはずっと
おじいちゃんの家で過ごしました。
あれだけの激しいバトルを繰り返したとは思えないほどあっけない展開ですが、
きっかけは「私の体調が悪いんだけど、ちょっと子供預かってもらえない?」
という娘からの連絡でした。
今、安川さんは毎朝彼と一緒に散歩をして
一緒にスーパーに行って、
神社やお寺を回って御朱印をいただいたり、
彼の運転で遠出をしたり
孫と3人で動物園に行ったり
時々彼の横で習字を書いてみたり、
毎日が楽しくて仕方ないのです。