先月60歳定年を迎えた友人から
「子供にお金を残したいので終身保険に入ろうと思うけど…」
という相談を受けました。
子供にお金を残したい!
友人の小林さん(仮名)はシングルマザー。
子供は娘が2人。
保有財産は自宅(評価額1,500万円)と現預金2,500万円です。
小林さんは今一緒に住んでいる次女のことが心配でたまりません。
長女は高収入の夫を持ち、自分も公務員として働いているので心配はないのですが、
次女は新卒で入社したブラック企業で精神的に病んでしまい、5年以上前から何もしていません。
姉妹の仲はとても良く、長女は何かと次女の心配をしてくれています。
相続財産は合意すればどのように分けてもかまわない
小林さんの財産は法定相続通りに分ければ、
姉妹で二等分することになりますが、
実際は子供たちが話し合いで合意すれば
どのように分けても構わないのです。
現時点では、長女は小林さんの想いを理解しており、
次女が多く受け取ることに理解を示していますが、
将来は何があるかわかりませんよね。
もしかしたら長女がお金に困窮したり、
長女の夫が口出しをしたりするかもしれません。
特定の子に多く残したい時は
その心配を解消するための方法として
- 次女の受け取り分を多くするための遺言書を作成する
- 次女を受け取り人に指定した保険に加入する
があります。
小林さんは保険に加入する方法で考えているのです。
一時払い終身保険
一時払いの終身保険に入るメリット
(小林さんの場合、相続税の基礎控除が4200万円(3000万円+600万円×2人)あるので、財産が4000万円の小林さんには相続税はかからないから、このメリットはない)
詳しく説明しますね
次女を受取人に指定して1000万円の終身保険に入ると、
1000万円は次女の固有財産になるので残り3000万円を長女と2人で分けることになる。
結果長女1500万円、次女2500万円
※ただし、この目的なら遺言を作成すれば保険に入る必要はない。
小林さんにはこのメリットはありませんが、
もしも相続財産が5000万円あったとしたら。
保険には500万円×法定相続人数の非課税枠があるので
500万円×2=1000万円が非課税となる。
財産が5000万ある場合、
5000万円-(3000万円+600万円×2人)=800万円で
800万円が相続税の対象となるけど、
財産のうち1000万円が保険なら相続税はかからないのです。
以上をふまえて、
どんな一時払い終身保険を選ぶかが重要です。
退職金
定年退職を迎えた人たちは
多額のお金をどうしようか迷っていませんか?
そんなとき退職金が振り込まれた銀行から
外貨建て一時払い終身保険を勧められた利するかもしれません。
とても魅力的な商品のような説明を受けるかもしれませんが
仕組みを知らずに加入すると損をするかもしれません。
良く検討すること
2003年頃から始まった変額保険のブームは終わりましたね。
それで大きな利益を得た人、大きく損をした人がいましたが、
今は外貨建ての一時払い終身保険がよく勧められているようです。
外貨建ては円建てよりも、予定利率が高いため収益や運用効果が期待できます。
でも、銀行の窓口などで勧められても
すぐには決めないでよく検討してくださいね。
また、多額の退職金が振り込まれると、必ずと言っていいほど
銀行から連絡があります。
安易に営業員を自宅に招き入れないようにしましょう。
高齢者の場合
この種類の保険は売る側も顧客に説明しなければならないことが多く、
高齢者の場合、説明を聞いて契約をするとなると2時間以上かかることがあるのです。
あまり説明されないうちにサインを求められたら要注意ですが、
もっと問題なのは、2時間もかけて説明を聞いていたら
頭がボーっとして正常な判断力を失うということです。
早く手続きを終えて
帰りたい…
「はい、はい」と頷く
だけになってしまいます。
売る側は「時間をかけて詳細をきちんと説明しました」
と言います。そこに偽りはありません。
銀行の営業員を自宅に招き入れてしまった場合は、
なかなか帰ってくれないなんてことにならないように
毅然とした態度で対応してくださいね。
外貨建て一時払い終身保険とは
簡単にまとめると
特に注意すべきこと
円建て終身保険と外貨建て終身保険の違いくらいは理解できても、
『低解約返戻金型終身保険』『積立利率変動型終身保険』『変額保険(終身型)』『外貨建て保険』???何のこっちゃ?となりませんか?
最期に
それでも終身保険の魅力はあります!
・残したい人に確実に残せる
・非課税枠がある
※外貨建てなら増やせる可能性もある
なので、
- リスクを承知で入る(増える可能性もあります)
- すぐには決めないで一旦資料を持ち帰る
- お子さんのいらっしゃる人は一緒に説明を聞く
- 外貨建ては避ける
などなど、よく検討してくださいね。
外貨で増やすことが目的の人は
保険じゃない商品で検討するのがいいと思います。(あくまで自己責任で!)
最後までお読みいただきありがとうございました。
本当に嬉しいです!